Enamelware
『ホーロー』って何?
お店でよ~く聞かれます。
改めてホーローの素材や特徴のお話しを・・・
ホーローとは鉄などの金属の表面に
ガラス質の釉薬を高温で焼き付けた物です。
壊れにくく熱伝導も良いけれど腐食しやすい金属と、
見た目が美しくて腐食にも強いけれど壊れやすいガラス。
この2つの良いところ、強さと美しさを兼ね備えた
機能的な物が『琺瑯』です!
ホーロー(琺瑯)はきちんとした日本語。
英語ではenamelware(エナメルウェア)です。
琺瑯の歴史はとても長いけれど
写真のような姿になったのは
18~19世紀頃のイギリス。
琺瑯は貴族ではない、
一般庶民の生活用品として生まれ
使われた身近な道具です。
写真はBREAD BIN(ブレッドビン)と呼ばれる
イギリスのパン専用保存容器。
ブレッドビンの蓋に開いた小さな穴は、
パンを乾燥させずカビも発生させずに
1日でも長く保存する為の通気口なんです。
この穴があるブレッドビンは
1950年前に作られた古い物。
持ち手の接合部分。
補強されていたり、継ぎ目が目立ったり、
無骨なものほど古い物が多いです。
アンティークはこういう部分を見れば見るほど
オモシロイ!
1930年代のブレッドビン。
1950年頃までに生産された
ファミリーサイズと呼ばれる大きさ。
横から見るとBREADの文字が
凹んでます。
切り込みの入ったステンシル文字は
incised(インサイズド)と呼ばれる手法。
全体に琺瑯加工される前に入れられたもので
珍しいんです。
こちらはFLOUR(フラワービン)
イギリスで使われていた小麦粉保存容器。
第2次世界大戦後は家庭でもパンを焼く為に、
小麦粉の保存をしていました。
蓋の気密性が悪いから
短時間の保存用だったそうです。
アンティークの琺瑯は
「チップ」と呼ばれるガラス質がはがれている部分や、
サビが発生しているものがほとんど。
これこそ長い年月を経た証。
そしてこれぞアンティークの魅力!
買い付けの時
1番気になるのが内側のコンディション。
内側のコンディションが悪い物は
アンティークとしての価値がずっと低くなるんです。
知れば知るほどオモシロイ琺瑯です。
次回はまた別の琺瑯のお話しを・・・
- ホームスィートホーム 《 イギリスやアメリカのアンティーク雑貨 》 -